医療機関によるクラウドファンディングが増加中!

  • 2024年1月12日
  • 2024年1月10日

 医療機関におけるクラウドファンディングの事例は年々増加の一途をたどっています。しかし、医療従事者の中には、どう活用していいかイメージすることが難しい方もいるかもしれません。

本記事では、医療機関におけるクラウドファンディングの活用事例をご紹介します。クラウドファンディングを知り、有効活用することで自施設の課題を解決し、プロジェクトを成功させましょう。

クラウドファンディングとは?

 クラウドファンディングとは、インターネットを経由し自身の活動や夢を発信することで、思いに共感した方から資金を募る仕組みです。

クラウドファンディングは、おもに以下3種類に分類されます。

  • 購入型クラウドファンディング
  • 寄付型クラウドファンディング
  • 投資型クラウドファンディング

クラウドファンディングをすることで、モノやサービスを得るのか、対価を得ずに寄付だけを行うのかの違いがあります。

購入型クラウドファンディング

 購入型クラウドファンディングでは、モノやサービス、体験や権利などの販売が可能です。主体となるものは、企業や任意団体だけでなく、個人などのパターンもあります。

購入型の場合、実行者はおもに以下を目的としてクラウドファンディングを展開します。

  • 新商品の先行販売
  • 開発資金の調達
  • テストマーケティング

支援者はさまざまなリターンを期待し、金銭的な支援を行う一方で、リターンには対価性を求めず、実行者とのコネクションを築く目的で支援する方もいらっしゃいます。

寄付型クラウドファンディング

 寄付型クラウドファンディングでは、寄付金を募ることが可能です。対価性のあるリターンは得られない一方で、寄付することで税制優遇が受けられます。

寄付型の場合、実行者はおもに以下を目的としてクラウドファンディングを展開します。

  • 社会貢献活動への支援
  • ソーシャルアクションへの寄付

社会貢献貢献活動やソーシャルアクション(社会福祉制度の創設など)に対し、寄付をすることで力になりたいと考える支援者が多く参加しています。

投資型クラウドファンディング

 投資型クラウドファンディングでは、収益の一部を支援者に分配することで、投資として資金を募ることが可能です。

投資型の場合、おもに以下の種類があります。

  • 融資型
  • 株式型
  • ファンド型

非上場企業株の株式に投資したり、個人投資家から出資者を募ったりなどしてプロジェクトを実行できます。

クラウドファンディングの背景

 クラウドファンディングは、21世紀以降のインターネットの普及に伴い、アメリカでスタートしました。

最初のクラウドファンディングプラットフォームとして運営を開始したのは、 2001年の「ArtistShare」で、それ以降、数々のプラットフォームが登場し、プロジェクトが立ち上がりました。

日本では、2011年に「MOTIONGALLERY」や「READYFOR」、「CAMPFIRE」などのプラットフォームが誕生し、徐々にクラウドファンディングが浸透し始めますが、インターネットを利用した現在のクラウドファンディングは、2011年の東日本大震災の際、復興支援を目的とした寄付型クラウドファンディングが展開されたことが始まりです。

以降、購入型クラウドファンディングが拡大。2014年5月には、金融商品取引法の改正案が可決成立したことで投資型クラウドファンディングも注目され始めました。

医療機関におけるクラウドファンディングの現状

 現在、医療機関においてもインターネットを通じてクラウドファンディングを行う施設が増えています。

特に、2020年に広まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、多くの医療機関で経営や研究体制に問題が生じたため、多くの医療系プロジェクトが発足しました。

その結果、クラウドファンディングサイトでは、支援金額が前年の7.5倍にも膨れ上がる結果となりました。

新型コロナウイルス感染症により、経営難に陥った永寿総合病院(東京都)では、OB医師らが中心となり、2020年6月に2000万円を目標に募集を開始。
結果、約1ヶ月で4,639人から約4900万円の支援金が集まり、経営難を打開することができています。

医療機関におけるクラウドファンディングの活用方法

 医療におけるクラウドファンディング活用方法としては、以下3つが挙げられます。

  • リニューアルなどの設備費用
  • 医療機器・備品・医療関連車両の購入費用
  • 研究・開発費用

設備投資として、改築費用や医療機器・物品、医療関連車両の購入費用などを集める目的でプロジェクトを実行する場合があります。

リニューアルなどの設備費用

医療機関の場合、建物の老朽化に伴い、病棟や待合室の内装改修を行う場合があります。

また、ホスピタルアート(空間をより快適に癒やしの場にすること)の一環で増築をする場合もあるでしょう。

クラウドファンディングによって、改修や増築などにかかる費用を集めるプロジェクトが実行できます。

医療機器・備品・医療関連車両の購入費用

たとえば、新築移転後にベットや医療機器、電子カルテなどの購入費用を集めるプロジェクトも実行することが可能です。

また、ドクターカーや往診車などの医療関連車両を購入する資金にあてることを目的としたプロジェクトもあるでしょう。

研究・開発費用

医療機器や薬、アプリ開発などに関わる費用を集めるプロジェクトを行うことも可能です。また、学会の運営費用を集めるなどにも活用するケースがあるでしょう。

医療機関におけるクラウドファンディング活用事例

 医療機関におけるクラウドファンディングは年々実施件数が増えています。おもな活用事例は、以下の通りです。

  • コロナ禍で職員に臨時手当を支給
  • オンライン面会システムの構築
  • 弾性圧迫グローブ・ストッキングの開発
  • 医療コンテンツの認知拡大

職員の給与やシステムの導入、各種医療製品の開発やコンテンツの認知拡大などに活用されています。

コロナ禍で職員に臨時手当を支給

医療法人慶友会 守谷慶友病院では、クラウドファンディングを利用し、職員の臨時手当を行いました。

県からの要請を受け、2020年4月に新型コロナウイルス感染患者の受け入れを開始した守谷慶友病院。

病院に行くと、新型コロナウイルスに感染するという風評被害があり、患者数が激伝する事案が発生しました。結果、職員の定期昇給が見送られることとなったのです。

そこで、リターンとしてお礼のメッセージや活動報告書、HPへの名前掲載などを設定し、クラウドファンディングを実施。

記者会見を開き、本クラウドファンディングの広報を積極的に行った結果、目標の1,000万円をたった1日で達成。最終的な支援額は、約4,800万円にも膨れ上がりました。

オンライン面会システムの構築

大阪大学医学部付属病院 総合周産期母子医療センターでは、新型コロナウイルス感染症の流行により、厳しい面会制限が設定されました。

そこで、ご家族が入院中の赤ちゃんに面会できる方法がないか考え、オンライン面会システムを導入するためにクラウドファンディングを実施。

結果、約3,200万円の支援額が集まり、無事にオンライン面会システムを導入することができました。

弾性圧迫グローブ・ストッキングの開発

京都乳癌研究ネットワークでは、乳がん抗がん剤治療の副作用である手足のしびれを予防するために、弾性圧迫グローブ・ストッキングを開発。

手足のしびれに対して有効か否かを検討するための臨床研究にかかる費用を募集するため、クラウドファンディングを実施し、リターンとして感謝のメールや活動報告書、HPへの名前記載などを設定しました。

結果、約2,700万円の支援額が集まり、本研究が実施されました。

医療コンテンツの認知拡大

一般社団法人 保健医療リテラシー推進社中は、情報発信コンテンツ「こびナビ」を展開しています。

同コンテンツは、医師や専門家が集まったプロジェクトで、新型コロナウイルスワクチンやウイルスに関する情報をわかりやすく正確に伝えることを目的としており、コンテンツの充実と認知拡大を目指しクラウドファンディングを実施。

リターンとして、お礼のメールや特別リーフレットの配布、HPへの名前掲載などを設定したところ、約3,000万円の支援金が集まり、こびナビの広告展開につなげることができました。

まとめ

 クラウドファンディングを活用し、思いに共感した方から資金を募ることで、さまざまな課題を解決することができます。

設備投資や備品・医療機器などの導入だけでなく、コンテンツの認知拡大や研究費用などにも活用できるのです。

今後、成し遂げたいプロジェクトがある場合は、クラウドファンディングを活用して実現に向けた1歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

[参考URL・資料]
自力で行う“資金調達”手段としてのクラウドファンディング
「クラウドファンディング」で社会貢献? 医療分野の支援は約8倍、総額20億円に
クラウドファンディングの仕組みって? 歴史から種別まで、徹底解説します!
医療系のクラファン、2020年度には前年比7.5倍に急拡大
【事例あり】医療分野でも注目のクラウドファンディングが、臨床研究や情報発信を成功に導く!

カテゴリ

アプリも使ってみてね